第77話 『ミステリーツアー①』 語り手 私
能勢さんの怪談が終了した直後、急に教室内のスピーカーに異変があった。
『ピビビ、ガー、ガー』
「ん? なんかスピーカーが鳴ってるぞ」
徹さんの言葉に、全員が教室内のスピーカーに視線を向ける。
「……おかしいな、今日は校内には僕たちの他に誰もいないはずだけど……」
能勢さんが怖々と言うと、その場の空気が急に冷え込んだ気がした。
「ちょ、じゃ、じゃああ誰が放送室にいるのよ。あ、もしかしてタイマーか何か……」
「しっ! 黙って!」
赤羽先生が紫乃さんを制すと、スピーカーのノイズ音がさらに大きくなった。
『……ガガガッ。 音……学……室……ガガガッ……』
短くだが、確かに人間の声でメッセージが流れた。
「……もう何も聞こえませんね」
西條さんは私の服の裾を握りしめて言った。
「音楽室……って言ってたみたいだけど?」
赤羽先生はみんなを見まわしながらゴクリと唾をのんだ。
「来いってことなのか?」
大ちゃんさんが、もう何も発しないスピーカーを睨みつける。
「だろうね。放送室から直接の放送かもしれないし、確かにタイマー再生ってこともあり得る」
と、淳さん。
「ま、待てよ。もしかして幽霊の仕業じゃないのか? だって誰もいないはずなんだろう?」
意外になさけない声を出したのは徹さんだ。
「何言ってんの徹! さっきの声聞いたでしょ? あれは人間の仕業よ。私たちに何か用があるから呼んでるのよ。行きましょう。これだけ人がいれば何があっても平気だって」
この不気味な状況において、紫乃さんの明るい声は何よりも頼りになる気がした。
「よし、ここでじっとしていても仕方ない。来いというなら行くしかないな」
大ちゃんさんを先頭に、音楽室へのミステリーツアーが始まった。
……。
能勢さんの怪談が終了した直後、急に教室内のスピーカーに異変があった。
『ピビビ、ガー、ガー』
「ん? なんかスピーカーが鳴ってるぞ」
徹さんの言葉に、全員が教室内のスピーカーに視線を向ける。
「……おかしいな、今日は校内には僕たちの他に誰もいないはずだけど……」
能勢さんが怖々と言うと、その場の空気が急に冷え込んだ気がした。
「ちょ、じゃ、じゃああ誰が放送室にいるのよ。あ、もしかしてタイマーか何か……」
「しっ! 黙って!」
赤羽先生が紫乃さんを制すと、スピーカーのノイズ音がさらに大きくなった。
『……ガガガッ。 音……学……室……ガガガッ……』
短くだが、確かに人間の声でメッセージが流れた。
「……もう何も聞こえませんね」
西條さんは私の服の裾を握りしめて言った。
「音楽室……って言ってたみたいだけど?」
赤羽先生はみんなを見まわしながらゴクリと唾をのんだ。
「来いってことなのか?」
大ちゃんさんが、もう何も発しないスピーカーを睨みつける。
「だろうね。放送室から直接の放送かもしれないし、確かにタイマー再生ってこともあり得る」
と、淳さん。
「ま、待てよ。もしかして幽霊の仕業じゃないのか? だって誰もいないはずなんだろう?」
意外になさけない声を出したのは徹さんだ。
「何言ってんの徹! さっきの声聞いたでしょ? あれは人間の仕業よ。私たちに何か用があるから呼んでるのよ。行きましょう。これだけ人がいれば何があっても平気だって」
この不気味な状況において、紫乃さんの明るい声は何よりも頼りになる気がした。
「よし、ここでじっとしていても仕方ない。来いというなら行くしかないな」
大ちゃんさんを先頭に、音楽室へのミステリーツアーが始まった。
……。

