……結婚式会場での騒動はなかった。彼の事を知る者は遥意外にいなかったのか、はたまた今朝のニュースを見た人がいなかったのか、遥さえも何もなかったかのように平然としていたので、私は何も言う事無く式を見届けた。
厳かな式、そして披露宴が終わり会場は二次会へと移された。
……。
「こんばんは紫乃さん。よかったですね~披露宴」
「あ、美夏さん。どうも」
私は昨日一緒にケーキを作り、飲み会も一緒だった遥の友人という美夏さんと会った。
……はて? 彼女、披露宴で見かけたっけ?
私はふと記憶を振り返ったが、思い出す前に本日の主役達が登場した。
「わあ!」
「おめでとう遥!」
拍手喝采を浴びて、なんとウエディング姿のままの遥とタキシードの新郎が姿を現した。二次会にしか来られない人への配慮だろう。しかし、何度見ても綺麗だ。
「いいぞいいぞ~! 奥さん泣かせるなよ~」
「遥~、俺と結婚してくれ~」
お決まりのヤジも飛び交い、会場は和気藹々とした雰囲気に包まれ二次会がスタートした。
……そして、二次会のケーキ入刀が終わり、そのケーキが新郎新婦を始め、来場者全員に配られた時……事件が起こった。
「きゃああああ!」
その突然に響いた悲鳴に、会場全体が音を失ない、全員が主役席の方を見た。
……そこには、口を押さえてしゃがみこむ花嫁の姿とそれを心配するかのように何かを叫んでいる新郎。そして傍らで立ち尽くす美夏さんの姿があった。
「は、はは、はやく救急車だ、救急車!」
私の耳にようやく音声が届いた。
「遥! 遥あああ!」
新郎の腕の中で、意識を失った遥が倒れた。自らの口から吐き出したであろう大量の血液のせいで、ウエディングドレスの胸元は真紅に染まっていた。その赤と白のコントラストを一瞬でも綺麗と思った私は異常だったのだろうか?
……そして騒然となる中で、二次会の幕は降りた。
厳かな式、そして披露宴が終わり会場は二次会へと移された。
……。
「こんばんは紫乃さん。よかったですね~披露宴」
「あ、美夏さん。どうも」
私は昨日一緒にケーキを作り、飲み会も一緒だった遥の友人という美夏さんと会った。
……はて? 彼女、披露宴で見かけたっけ?
私はふと記憶を振り返ったが、思い出す前に本日の主役達が登場した。
「わあ!」
「おめでとう遥!」
拍手喝采を浴びて、なんとウエディング姿のままの遥とタキシードの新郎が姿を現した。二次会にしか来られない人への配慮だろう。しかし、何度見ても綺麗だ。
「いいぞいいぞ~! 奥さん泣かせるなよ~」
「遥~、俺と結婚してくれ~」
お決まりのヤジも飛び交い、会場は和気藹々とした雰囲気に包まれ二次会がスタートした。
……そして、二次会のケーキ入刀が終わり、そのケーキが新郎新婦を始め、来場者全員に配られた時……事件が起こった。
「きゃああああ!」
その突然に響いた悲鳴に、会場全体が音を失ない、全員が主役席の方を見た。
……そこには、口を押さえてしゃがみこむ花嫁の姿とそれを心配するかのように何かを叫んでいる新郎。そして傍らで立ち尽くす美夏さんの姿があった。
「は、はは、はやく救急車だ、救急車!」
私の耳にようやく音声が届いた。
「遥! 遥あああ!」
新郎の腕の中で、意識を失った遥が倒れた。自らの口から吐き出したであろう大量の血液のせいで、ウエディングドレスの胸元は真紅に染まっていた。その赤と白のコントラストを一瞬でも綺麗と思った私は異常だったのだろうか?
……そして騒然となる中で、二次会の幕は降りた。

