第74話 『小さなトゲ』 語り手 山﨑大介
さて、話もいよいよ中盤だ。ここまでの怪談もなかなか怖いものばかりで、私の気持ちは期待と不安が入り混じって複雑な状態だ。
……100話への物語は刻一刻と近づいていく。
「よし、じゃあ次は俺だ。昔『伝染病』っていう怪談を話した事を覚えてるか?」
大ちゃんさんが話した怪談……。
「うーん。すいません。忘れてしまったみたいです」
私は申し訳ないと思いつつ正直に言った。
「さすがに10年経つと怖い怪談も薄れてしまうか。まあいい、あの話は身体にミミズ腫れができる話で、それが日ごとに増えていずれ死に至るという奇病だった」
そう言われると確かにそんな話があったような気がした。
「俺が今回話すのは似たような話だが、『トゲ』に関するものだ」
大ちゃんさんは咳払いを一つすると、静かな口調で話し始めた。
さて、話もいよいよ中盤だ。ここまでの怪談もなかなか怖いものばかりで、私の気持ちは期待と不安が入り混じって複雑な状態だ。
……100話への物語は刻一刻と近づいていく。
「よし、じゃあ次は俺だ。昔『伝染病』っていう怪談を話した事を覚えてるか?」
大ちゃんさんが話した怪談……。
「うーん。すいません。忘れてしまったみたいです」
私は申し訳ないと思いつつ正直に言った。
「さすがに10年経つと怖い怪談も薄れてしまうか。まあいい、あの話は身体にミミズ腫れができる話で、それが日ごとに増えていずれ死に至るという奇病だった」
そう言われると確かにそんな話があったような気がした。
「俺が今回話すのは似たような話だが、『トゲ』に関するものだ」
大ちゃんさんは咳払いを一つすると、静かな口調で話し始めた。

