学園怪談２ ～１０年後の再会～

　……私はこの時、マイが何かを訴えようとしているように思った。マイのすがるような瞳、私の服の袖を掴む震える手。何か、大変な何かがマイに起こっているの？

「何を言ってるのマイ、幽霊なんているわけないじゃん！」
　私の答えにマイは一瞬だけ暗い表情を見せたように思ったが、すぐに力ない笑顔を見せた。
　この日の放課後、私は駅の伝言板に新しいメッセージが一つ書かれていることに気がついた。

『私……怖い、誰にも言えない、助けて　MAI』

「な、何これ！　間違いない、マイが書いたものだ。あの子やっぱり変だ」
　私は慌てて家に帰ると携帯を鳴らしたが、マイの携帯は電源が入っていないようで、いくら鳴らしても繋がらなかった。
「明日必ずマイに問い詰めなきゃ」
　私は決意を新たにその日は早めの床についた。

　……でも、次の日の早朝……マイは駅のホームから電車に飛び込んで自殺した。

　……それから１週間後。告別式も終り、悲しみに暮れていた私もなんとか気持ちを奮い立たせながらも学校へと向かっていた。
「……マイ。どうして、どうして死んじゃったの？　私にも言えない悩みを抱えていたの？」
　今でも思い出すと涙がこみ上げて来る。
　いつもより少し早めに降り立ったホームは人気が少なく、私の気持ちを一層落ち込ませる。そして改札口を抜けたところで私は思いがけないものを見た。
　……伝言板に、新しいメッセージが書かれていたのだ。