学園怪談2 ~10年後の再会~

でも、そんなある日。マイがいつもとは違い元気がなかった。朝の待ち合わせにも来ず、駅の伝言板に『コンビニで立ち読みしてるからね、SIO』という私のメッセージすらも無視して教室に先に行っていた。おかげで私は危なく遅刻だ。ちなみに伝言版の英語はシノをちょっと変えてSIOね。
 時間ギリギリに教室に入った私は、私を無視して学校に先に行ったマイに声をかけた。
「もう、どうしたのよマイ! 伝言板見なかったの?」
「ごめん、見たんだけど……ごめんね誘わなくて」
「別に遅れたのはいいんだけど、どうしたのよ? 何かあったの?」
 彼女は青い顔をしてうつむいていた。そして 
 ちょっといらついていたためか、自分でもびっくりするくらい厳しい声が教室に響き渡った。
「ごめんね紫乃。別に伝言板を見なかった訳じゃないんだ。本当に何でもないの。ごめんね」
 ……マイの異変はこのあとも続いた。マイは毎朝の待ち合わせ場所に来なくなり、帰宅も私を避けるかのように一人でそそくさと帰ってしまうようになった。
「ねえマイ、何で一緒に登下校してくれないの? 何を毎日そんなに急いでいるのよ」
 マイは学校内で私を避けることはしなかった。
 ……ただ、なぜか学校外だけは私はおろか、誰とも行動をしないようになった。
「……紫乃、幽霊って信じる?」
 いつも以上に元気がなく、伏し目がちにマイは聞いてきた。
「……マイ?」