ビーッ!
警告音のような音がなり、ベルトコンベアーの流れが止まった。
「こら~! 誰だカボチャ担当は!」
すぐに後ろの方から現場チーフが飛んできて、俺に注意を向けてきた。
「す、すいません~」
意外にチェックだけが厳しいのがムカツクことでもあった。
……サッ、サッ、サッ。
「ふああ」
とにかく単調作業がこれだけ苦痛な仕事も他にないのではないか? これが時給900円つうのも安すぎる気がするぞ?
「とにかく清潔に! 雑菌は一番の天敵だぞ!」
チーフの三上さんは、どことなく覇気のないおじさんだったけど、とにかく潔癖症という言葉をあてるのに、これ以上の適任はいないね。うるさいうるさい。
「はは、まあ三上さんはベテラン社員だからね。逆らったら怖いよ」
俺の隣には、同じく短気のバイトということで、俺よりも数日前から勤務している並木さんというガタイのいい男性がいた。彼はこんなとこでなく、ガテン系のバイトでもした方がいいのではないかと思うほどの大男だった。
チーフの三上さんは目がどこを見ているのかわからないロンパな人でね、食材を床に落としたりして拾ったりすると、その手に向かって真っ先に飛んできてエタノール消毒をするんだ。
もうとにかく消毒尽くし。普段ロッカールームなんかでもエタノールのスプレーを持ち歩いててさ、何かあるとすぐにスプレーするから怖いよ。
……ガシャアアン!
「こら~! そこ!」
バイトの残り期間も最終日。並木さんが足を滑らしてベルトコンベアーの機械の角で瞼を切ってしまった。
「だ、大丈夫ですか並木さん!」
助け起こそうとした僕を三上さんは突き飛ばし、倒れている彼に向かって例のスプレーを大量に噴射した。
「ちょ、ちょっと! 切ってるんですよ! もっとちゃんと手当てしてあげなきゃ!」
「言われるまでもねえ、こっち来い!」
そして、並木さんは引きずられるようにして、部屋の奥へと消えた。
……その日、仕事の終了時間になっても並木さんは帰ってこなかった。
警告音のような音がなり、ベルトコンベアーの流れが止まった。
「こら~! 誰だカボチャ担当は!」
すぐに後ろの方から現場チーフが飛んできて、俺に注意を向けてきた。
「す、すいません~」
意外にチェックだけが厳しいのがムカツクことでもあった。
……サッ、サッ、サッ。
「ふああ」
とにかく単調作業がこれだけ苦痛な仕事も他にないのではないか? これが時給900円つうのも安すぎる気がするぞ?
「とにかく清潔に! 雑菌は一番の天敵だぞ!」
チーフの三上さんは、どことなく覇気のないおじさんだったけど、とにかく潔癖症という言葉をあてるのに、これ以上の適任はいないね。うるさいうるさい。
「はは、まあ三上さんはベテラン社員だからね。逆らったら怖いよ」
俺の隣には、同じく短気のバイトということで、俺よりも数日前から勤務している並木さんというガタイのいい男性がいた。彼はこんなとこでなく、ガテン系のバイトでもした方がいいのではないかと思うほどの大男だった。
チーフの三上さんは目がどこを見ているのかわからないロンパな人でね、食材を床に落としたりして拾ったりすると、その手に向かって真っ先に飛んできてエタノール消毒をするんだ。
もうとにかく消毒尽くし。普段ロッカールームなんかでもエタノールのスプレーを持ち歩いててさ、何かあるとすぐにスプレーするから怖いよ。
……ガシャアアン!
「こら~! そこ!」
バイトの残り期間も最終日。並木さんが足を滑らしてベルトコンベアーの機械の角で瞼を切ってしまった。
「だ、大丈夫ですか並木さん!」
助け起こそうとした僕を三上さんは突き飛ばし、倒れている彼に向かって例のスプレーを大量に噴射した。
「ちょ、ちょっと! 切ってるんですよ! もっとちゃんと手当てしてあげなきゃ!」
「言われるまでもねえ、こっち来い!」
そして、並木さんは引きずられるようにして、部屋の奥へと消えた。
……その日、仕事の終了時間になっても並木さんは帰ってこなかった。

