「それでね、これはよく使われていることなんだけど、手に汗握るような映像の中に肉眼では確認できないくらい僅かな時間……分かんないけど千分の一秒とかくらいなのかな? とにかく全く見ている映像とは違うアイスを美味しそうに食べている映像を入れる……すると」
「すると? でも肉眼では見えないんですよね?」
「そこが人間の不思議な所でね、見えていないはずなんだけど、何度も映像を見るうちに、ふと『アイスが食べたいかな』って思う事があるんだよ。つまり自分では認識してないけど、視覚で得た僅かな光景が脳裏に焼きついて心理に働きかけるんだ。たまにないかな? ふとラーメンが食べたくなったり、ビールが飲みたくなったりとかさ」
そう言われれば、そんな事が過去にあったような気はする。
「まあ一般的にはあまり知られていない事だけど、結構この技術は使われているんだ、今回『殺人映画』には、このサブリミナル効果が使われていたんだ」
小松っちゃんは自信たっぷりに言った。
「じゃあ、このDVDは呪いとかではなく……」
私の問いに小松っちゃんは重々しく頷いた。
「ああ、このDVDは怪奇現象でも何でもない、立派な凶器だよ! 人の手によって、催眠現象であるサブリミナル効果を利用した悪魔のDVDさ。これを作成した奴ら、そいつらが真犯人さ」
しかし、私にはそこで一つの疑問が湧き上がった。
「じゃ、じゃあ犯人は直ぐに捕まったんですね? 死んだ生徒のうちの誰かを恨んでいた人による犯行だったということですか」
「いや、このDVDの映像はね、けっこう古いものだった。そう、8ミリで撮った映像をDVDに焼いたものなんだ。今は過去のそういった8ミリなんかのテープをDVDに焼きなおす人が増えてきたから、そういうサービスを専門にする会社もある。だから、どの過程でこのDVDが出来上がったのかは分からなかったんだ。死んだ生徒は誰からこのDVDを受け取ったのか、調べていくうちに曖昧になってしまったし、その数も増えてしまって全国に散らばってしまっているんだと思う……僕も調べてみたけどお手上げだったよ」
みんな無言になった。
「すると? でも肉眼では見えないんですよね?」
「そこが人間の不思議な所でね、見えていないはずなんだけど、何度も映像を見るうちに、ふと『アイスが食べたいかな』って思う事があるんだよ。つまり自分では認識してないけど、視覚で得た僅かな光景が脳裏に焼きついて心理に働きかけるんだ。たまにないかな? ふとラーメンが食べたくなったり、ビールが飲みたくなったりとかさ」
そう言われれば、そんな事が過去にあったような気はする。
「まあ一般的にはあまり知られていない事だけど、結構この技術は使われているんだ、今回『殺人映画』には、このサブリミナル効果が使われていたんだ」
小松っちゃんは自信たっぷりに言った。
「じゃあ、このDVDは呪いとかではなく……」
私の問いに小松っちゃんは重々しく頷いた。
「ああ、このDVDは怪奇現象でも何でもない、立派な凶器だよ! 人の手によって、催眠現象であるサブリミナル効果を利用した悪魔のDVDさ。これを作成した奴ら、そいつらが真犯人さ」
しかし、私にはそこで一つの疑問が湧き上がった。
「じゃ、じゃあ犯人は直ぐに捕まったんですね? 死んだ生徒のうちの誰かを恨んでいた人による犯行だったということですか」
「いや、このDVDの映像はね、けっこう古いものだった。そう、8ミリで撮った映像をDVDに焼いたものなんだ。今は過去のそういった8ミリなんかのテープをDVDに焼きなおす人が増えてきたから、そういうサービスを専門にする会社もある。だから、どの過程でこのDVDが出来上がったのかは分からなかったんだ。死んだ生徒は誰からこのDVDを受け取ったのか、調べていくうちに曖昧になってしまったし、その数も増えてしまって全国に散らばってしまっているんだと思う……僕も調べてみたけどお手上げだったよ」
みんな無言になった。

