イツワリノ恋人

「うわ…」

門をくぐりぬけ、やっと入り口。
その間にも、手入れが行き届いた花が咲き誇っていた。
あー…和むなぁ…。

ギィィィ…

扉をぬけると、そこは玄関ホール。
シャンデリアとかがあって、すごいゴージャス。
…天井高っ!

「ボーっとしてないで、着いてきて」
「…、してない!」
「してたでしょ」

この人、口が悪いのだけは確からしい。

「うわ…」
「気に入った?」
「綺麗…」

高級感あふれるソファとテーブル。
暖炉まであって、すごい雰囲気がある。

カチャ

いい香りがする…?

「紅茶…アールグレイでよかった?」
「淹れてくれたのか…?」
「何?俺が淹れるのがそんなに意外?」

拗ねたように聞いてくるのがなんだかかわいく見えてきた…ような気がして。

「ふっ…」

笑ってしまった。

「?」

不思議そうにしている神崎…って、私、こいつのことなんて呼べばいいんだろう?

「ねえ、私はお前のことはなんて呼べばいい?」
「瑠衣でいい」
「じゃあ私も、麗でいい。…っ、美味しい」
「じゃあ、よかった」