GAME開始から数ヶ月。
必要以上に瑠衣と学校では接していないため、周囲から妬みの視線を感じることも、嫌がらせも少なくなった。
まあ、完全になくなったというわけではないのだが。

今は、別の意味で視線を感じる。

絢加曰く、GAMEがここまで長引いたのは初めてだそうだ。
大抵、オヒメサマが告白して終了。
あるいは、瑠衣が甘く優しく問い詰めて…終了。

瑠衣に落ちないオヒメサマなのか、あるいは瑠衣が落ちるオヒメサマなのか。

一部生徒の間では、どちらがどちらに落ちるかという賭けまで行われているらしい。


ここにも、1人…。

「ねえ、絶対瑠衣落としてよ?大穴狙いでそっちに賭けてるんだからー!」
「絢加…」

予想はしてたがやっぱりか…!

「賭けにされて面白いと思うのか?」

気分が悪い、と吐き捨てれば何人かがそそくさと目を反らす。
あんたらもか…。
もはや怒る気すら失せる。

「私は、麗が幸せならいいんだって。ね?」

ジーンときて顔を上げれば、目をギンギンにさせた…親友ではなく…勝負師がいた。


私は、瑠衣が嫌いなわけではない。
ただ、過去のことからどうしても…。