あれから、数ヶ月。
私たちは、恋人、という言葉がしっくりくるようにはなっていた。
キスすら、していないが。

「…帰るか」
「うん」

当たり前のように差し出された手に戸惑う。

「え…っ」
「繋ぐんだよ、バーカ」
「ちょ…」

優しく繋がれた手。
壊れ物を扱うかのように、本当に優しかった。

でも、これもオヒメサマを落とすための手管なんだろ?
イツワリの優しさが、痛い。

でも、私はきっと。

…もう、恋はできない。