イツワリノ恋人

瑠衣side


「ねえ、如月さん。放課後…時間ある?」
「…あ、うん」

麗…と瀬戸?

ああ、今までのオヒメサマも食らってきた呼び出しか。
オヒメサマの反応もその子によって違った。
それを理由に俺の気を引こうとしたり、過剰に怖がってみたり…。

麗…は、絶対に俺に言ったりしないんだろうな。
孤高のオヒメサマって感じだ。
落とすのに時間がかかるタイプだな…。

今回のGAMEは面白そうだ。

「あ、瑠衣…」

瀬戸が何かを言っているが、無視した。
最初の頃は、俺だって話しかけられれば話していた。
でも、それでオヒメサマがやきもちを焼いたり、以前のオヒメサマが期待を持ってしまうとわかってからは、話さないようにしている。

こいつも、きっと同じだ。
いつもの通り、すぐに落とせる。

…なのに。

「気をつけろ…か」

何かが…。
いつもとは違っていることに気がつけなかったから。

さあ、改めて。
GAMEスタート。