「・・・ねぇ・・・いい加減、起きてくれない?」



心地良い眠りの中、耳元で聞こえる王子様ボイス。


もう少し・・・この暖かい眠りの中にいたい・・・。



「・・・蘭子ちゃん、お・き・て?・・・ふーっ」



「うひゃ・・・っ!?」



耳に息を吹きかけられて、私は慌てて飛び起きた。



「え・・・英二君・・・!」



「あはは、やーっと起きた!寝かせておいてあげたいけど、もう会社に電話しないとマズい時間だぜ?俺はもうしたけど!」



そう言われて時計を見ると8時30分・・・!


しかも、部長である英二の後に、電話し辛いじゃない・・・!



「うわーんっもっと早く起こしてよーっ!」



「ごめんごめん、だって寝顔が可愛いかったからさ。」