毎年、バレンタインは蘭子から義理チョコを受け取っていた。


しかも、嫌そうな顔をして・・・だ。


そんな顔するなら、くれなきゃいいのに・・・と何度思ったことか。


だけど今年は・・・紛れもなく本命チョコなんだ。


まさか、蘭子と両想いになる日が来るとは思ってなかったからな。


明日は仕事帰りに、デートの約束だし。


明日は・・・一大決心をしていた。


どうか、ちゃんと「カッコイイ俺」でいられますように。








風呂上がりに一杯やっていたら、携帯の着信音。


こんな時間に、仕事の電話か?と携帯を見てみると・・・「鈴木蘭子」の名前。


蘭子が電話をかけてくるのは珍しい。


彼女はメール派だからな。



「・・・はい、もしもし?」



『うわーんっ英二!助けてーっ!』