「お前に・・・別れを告げねばならん。俺は甲斐の国を捨てる。」



源助の美しい顔が歪む。


そして首を振った。



「何を馬鹿なことを・・・私は、殿がこの国をどれだけ愛し、この国の為ならどんなお辛いこともやってこられたのを知っておりますっ!お心を痛められながらも。・・・捨てるなんて、できるはずがないっ!」



この俺に怖じず意見するのは、源助くらいなものだ。



「確かに・・・な。俺はこの国を愛している。だが・・・約束したのだ。・・・裏切りたくない。」



「それで・・・殿は私達を裏切ると言うのですね?・・・ならば。」



「・・・っ!?」