図書室で、恋。




そして、その数分後、私はいつもの定位置に着き、大和くんのいる書庫の方をボーっと眺めていた。

課題も、授業の予復習も、何にもやる気なんて起きなかった。

こんなので、やる気がある方のが無理な話だ。


そのまま帰る気分にもならず、かといって大和くんと顔を合わせるのも、何とも言えない気持ちだった。

本当は悠太のことを、色々聞いて欲しかったのにな。
発散したかったのに。

はーあ、なんだか上手くいかないなぁ。


そんなことを考えてたら、大和くんが書庫から出て来た。


「あれ、いたのか。」

驚いた。

もう見た目は昨日までの大和くんにすっかり戻っている。

しっかりと着こなした服に、もっさりした頭。片手には分厚い本。


「よくこのまま図書室残ってんな。」


ただ口調だけは変わってしまいました……。


「なんか、変なの。」

「あ?」

「なんで普段そんな姿でいるの?さっきまでの方が全然イケてるのに。」

「色々あんだよ。」

「えー、でも絶対モテると思うよ?そしたら、こう、もっと図書室にも活気あふれるかも?」

「あーいい、いい。余計なお世話。面倒くさすぎる。活気なんて、必要ないね。」

「ふーん…」

「あと、幼なじみのことしか頭にないおバカさんに、そんなアドバイスも受けたくねぇな。」


大和くんは鼻で笑いながら言った。


「ちょ、それとこれとは関係ないじゃん!」


あー、今までの大和くんの、紳士で知的だったイメージが、ガラゴロと崩壊していく。