「とりあえずさ。」
大和くんはクスリと笑って、私の唇に人差し指を当てた。
「え…っと…」
「このことは秘密ね?」
「秘密…」
「そう。池本先生と俺のこと、そして俺の本当の姿も。」
大和くんは笑った、けれど目は笑っていなかった。
そのまま私の方にグイッと顔を近付けたかと思うと、
「お前、このこと言ったらどうなるか分かってんだろうな?」とニコニコしながら言った。
私はそのまま口をパクパクさせながら、必死に頷いた。
ここここここ、怖い~~~っ!!!
全然笑ってないよ、その目が怖すぎます。
私はこれでもかというほど、頷き続けた。
そんな私を見てか「ぶはっ…」と大和くんは身体を反らし、吹き出して笑った。
その姿を見て、私はやっと深く呼吸をすることが出来た。
やっと、やっと大和くん、ちゃんと笑ってくれた。
「よし、もう今日はこの話は終了。はーあ、とんでもなく疲れたわ。」
大和くんは呑気に欠伸をして、首をポキポキ鳴らして、書庫の方へと向かった。
私はしばらく呆然と、その場に立ち尽くしていた。
なんだか、もう、情報量が色々と多すぎる。
悠太のことでいっぱいいっぱいなのに、大和くんまでって…もう何がなんだか理解が出来ない。
私は大きなため息をひとつついた。

