「大和くん…違う。」
「え?」
「違うよ、違う。私の知ってる大和くんじゃない…」
どうして、そんなひどいことを言うの?
そんなの…そんなのって無い。
唇を噛み締める私を見て、大和くんははぁーっと長いため息をついた。
そして私の方へ近付く。
「え、何…」
私もそのまま後ろへ後ずさりをする。
ねぇ、いつもの、いつものあの優しい大和くんはどこへ行っちゃったの?
いつもみたいに、岩崎さんって、そう言ってよ。
トン…と踵が壁に当たり、そのまま私は行き止まりになった。
気が付けば大和くんとの距離、数十センチ…
「これが俺の本性。」
「え?」
見上げると、またも意地悪そうにニヤッと笑った。
そして、壁につかれた大和くんの左腕。
待って、これ、前に瑠璃が言ってた壁ドンってやつだ。
って、そんなこと考えてる場合じゃない…!
「俺ね、そういうやつなの。陽彩ちゃんが思ってるような男じゃないよ?」
「や、まとくん…」
「ま、高校生のガキに興味はないから安心しな。」
「……。」
息が苦しかった。
呼吸の仕方を忘れてしまったような、大和くんの瞳に吸い込まれてしまうような、そんな感覚に陥った。

