雲一つない澄み渡った青空。

眩しいくらいの太陽の光。

初夏を感じさせるカラッとした空気。



「おばさん、おはよ!」

「ひぃちゃん、おはよう。もう悠太ったらまだ起きないんだから。」

「起こしてくる!」


そんな会話を悠太の家の玄関先でおばさんとして、慣れたように私は靴を脱ぎ右に入ってすぐの階段を駆け上がる。

ダッダッダッ…

決して上品とは言えない音を立てた上り方。
だって早くしないと学校遅刻しちゃうよ、なぁんて雑な性格の自分に言い訳をして私は勢いよく扉を開けた。


「悠太~っいい加減起きろ~!!」

私はベットにうずくまっている悠太に飛び乗る。

こんなこと、日常茶飯事。


「んー…」

眩しそうにしながらも目を開け。くわぁ…とあくびをする悠太。

そしてやっとつぶやいた言葉は「重い。」と、眉をひそめてそう言った。


「アンタ、今何時だと思ってんの~?」

「え、何時?」

「もう7時50分!遅刻するっ!」

私がそう言うと、悠太はやっと目が覚めたのか、「げっ、やべっ!」とベットから慌てて飛び起きた。

それと同時にベットから吹っ飛ばされる私。


「いったいなー!」

そんな私の言葉はまるで無視をし、「陽彩、今日の分の教科書とノート、カバン中突っ込んで!」とバタバタ階段を下りながら悠太は言った。


そして下の階から「なんで起こしてくんねぇの!」「何回も起こしたわよ!」といつものように悠太とおばさんの声が聞こえた。

私は呆れたようにその場で肩をすくめ、悠太の荷物を準備した。