朝、鳥たちのさえずる声が心地よく聞こえてくる。


「ん~っ!ふあぁ…よく寝た…」


ベッドからのそのそと這い出て、洗面台に向かう。


そこで顔を洗い、歯を磨いて部屋に戻り、制服に着替える。



あたし――如月依亜(きさらぎいあ)はごく普通の女子高生。現在高校2年生。


友達も普通に何人かいるし、恋愛もそれなりにしてきたと思う。…彼氏は一人しか居なかったけど。


「依亜ー!ご飯出来てるわよー?」


「あっ、はーい!今行く!」


あたしは階段をのんきにゆっくり降りていった。


そこには美味しそうな朝食を並べているお母さんと、そんなお母さんに見とれているお父さんがいた。