「店長、なんでゴールデンウィークなのに飲み屋は休みがないんでしょうか。」


「ゴールデンウィークにここぞとばかりに飲むおっさんたちのためです。」


「そっか、おっさんたちのせいか…」



一週間前にスポーツ大会を終え、捻挫の腫れも無事おさまった。

そして迎えたゴールデンウィークなわけですが、あたしはやっぱり実家にも帰らずこのなんだかよさげなバーにいるのです。



「今日は何の日でしたっけ?」


「五月五日はこどもの日だろ。」


「あーそっか。こどもの日なのにおっさんは飲み散らかすのか…明日からもう仕事じゃないのか…?」


「世間様は明日もまだ休みだろ。てかおっさんもだけど、大学生のが多いけどな。」


「大学生はぎりぎり子どもと言えるのではないでしょうか。」


「20超えて子どもはねぇだろ。」


「だってまだ学生じゃないすか!」


「お前らって、大人だから酒たばこ許されるとか言って、こういう時は子どもだとか調子いいよな。」


「だってだって…」


「じゃあお子様なお前は今日飲めないなー大人な店長さんのおごりだったのになー。」


「いやー店長何を言っているんですか?あたしってば子どもなんてとうの昔に卒業してますよ?大人な女はお酒をたしなむモノですわよ?」


「泥酔して人に迷惑かけるまで飲むのは嗜むとは言わねぇだろ」


「そ、それはごもっともであります。今日は嗜む程度に控えますのでどうか奢ってください。」



ゴールデンウィークに健気に働くアルバイトにご褒美を!



「今日は家連れて帰ってやんねーからな。」


「店長今完全にフラグ立てましたね。」




END