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「聖なる夜にバイトだなんて…店長も鬼畜でいらっしゃる。」
あたし、華の大学二年生。
『イベントやっほいドンとこい!楽しもーぜみんなふぅーーっ!!なテンションが似合う系』な大学二年生。
なのになんで、こんなところにいるって?
「はぁ?聖なる夜に1人寂しく過ごすであろうお前に居場所を与えた俺はむしろ感謝されるべきだと思うんですけど。」
なぜってそれはこの鬼畜さんのせいだよ☆
この短い黒髪をぐしゃぐしゃっと遊ばせ、キリッとした眉、キリッとした目、スッキリっとした鼻、というなかなかイケメン要素を兼ね備えた店長。
しかしその鬼畜さを理由に、あたしからすれば『いやまじで断固お断りしたい系』な人だ。
ちなみに年は27。
『若くして店持ってるとかまじなにモノなん?系』な男でもある。
「そんなあたしがぼっちみたいな言いがかりは止めてくださーい。あたしにだってちゃんと居るんですよ?!」
「男?」
「おおお男かどうかって聞かれたら、まぁ男みたいな女の子は居ますけど……女の子ですよどうせ。」
本当は独り身組で飲み会だったんだよバカ野郎。
ちゃんとキリストのこと祈ってやろうぜって言ってたんだよ。
「仕方ねーダロみんな入れませんって言うんだから。
いいか?俺だって好きで店開けてるわけじゃねーし、遊びたいんだぞ?こんなとこでお前みてーなやさぐれモンとだべってる場合じゃねーんだよ。」
「なら店を閉めるが良い。」
「それが出来たら最初から開けてねーよ。」