その後、家に生チョコの残りがあると言ったら強引に押し入られた。
家に着いた時間は午前2時。
あたしとしては今すぐにでも布団にくるまりたいのだが、どうやら店長は今食べたいらしい。
生チョコなんていつ食べても同じだろうに。
「てか、なんでこれあるんだ?俺には買ってあったんだろ?」
「あー、これは相方のイケメンとかワンコとか、大学の人たちに配ったんですよ。いつも御世話になっておりますーって言って」
「……あいつらにもやったんか」
「あいつら?イケメンのことですか?」
「あとワンころ」
「あげましたよ。しっぽ振って喜んでくれました」
「だろうよ…なんか気に食わねぇな。なんで俺には既製品であいつらには手作りなんだよ。チロルでも渡せばよかっただろ」
「それはまぁ、せっかくのバレンタインなんで、気分だけでも味わおうと思いまして。まぁ、凝ったものは作れないんで超簡単なもの選んじゃいましたけどね」
「……俺にだけにしろとは言わねぇけど、手作りしたのはムカつくからお前が俺に食わせろ」

