そうなのだ。

ここ一週間くらい、店長への贈り物攻撃が倍増しているのだ。



最初の一撃のときはなんで贈り物をしてきたのかわからなかったが、立て続けに中身がチョコレートだったことから『あーなるほどバレンタイン効果か』と納得してしまったわけですよ。



ちなみに、店長は買ったチョコレートしか受け取っていない。

手作りは受け取らないし、もし入っていても口にすることはない。


理由を尋ねたところ、『お前は馬鹿か。どこの誰かも知らねぇ他人から何入ってかわかんねぇものもらって、食えるわけねぇだろ気持ち悪い』と、何とも正当でなんとも口の悪い解答をいただいた。


店長の鬼畜節は健在である。



世間話をするあたしたちとは反対側のカウンターの端にいる女性客から店長が何かを受け取ったってことは、それはどこかで購入したものだったか、そう見えるものだったんだろう。


たまに、袋だけ高級チョコレート店のもので、中身が手作りのものがあったりする。


それを初めて見た時は、女性とはなんとも策士な生き物だとも思ったが、そんなことをしたら最後、もう店長に構ってもらうことはできないだろう。



一緒にいるようになってわかったが、店長は自分の裏をかかれることというか、騙されることが大嫌いだ。