その後、カウンターに並んだのはケーキと簡単なつまみと、クリスマスらしく輝く金色のシャンパン。



「豪華!」


「いちいちうるせーぞ。なんでもいいからさっさと座れ」



完全に飲むモードに突入した店長は、サンタ帽子をぺーいっと外し、早く飲みたいのか隣の席をバンバン叩く。


その姿に笑みがこぼれる。



「いやぁ店長も大概あたしのことダイスキですよねーまさかクリスマスにあの券使われるとは思ってませんでしたよ」


「まぁ、…嫌いじゃないわな」


「またまたーそう言って嫌いだなんてー…ん?」


「嫌いじゃねぇよ?お前のこと」


「は?いや、店長何そんな真面目フェイス?」



軽口には軽口がかえってくると思っていたあたしに、なぜか真面目な顔の店長がじっとこっちを見つめてくる。



「嫌いじゃねぇというか、ま、好き、だな」


「ふへ?いやいやいや、そんな、なにを…」






「お前のこと、好きだよ。他の男とクリスマス過ごさせないためにどうするか考えるくらいには」


「てんちょ、なんでそんな、こと…?」





「ふは お前なんて面してんだよ。アホ面」


「だ、だって、店長が、え、店長?今なにを言って、」


「お前の脳みそって俺が思ってる以上に動き悪いのな。お前のこと、好きだって言ってんの」


「な、なに、好きって…」


「お前、飲まねぇの?俺が注いだ酒だぞ」


「あ、はい、それはいただきますけど…」


「はい、聖なる夜にかんぱーい」


「か、かんぱーい」




え、ちょ、今なにが起こった。