店長の言った通り、ホールにはたくさんのお客さん。


昨日のイブもそうだったけど、今日も今日とてみんなかっぽーかっぽーかっぽー……



「爆発すればいいのに」


「お前な、心こもりすぎててビビるわ」


「そりゃ心こめて言いましたから」


「じゃあ振らなきゃよかったじゃねーかよ」


「そ、それは今言っちゃいけないヤツです店長!店長バカ!」



泣くぞいいのか泣くぞ?!


「今涙腺ゆるゆるなんだからなバカー!」

「そんな脅し初めて聞いたわ」


「あたしだって初めて言いましたよ」



そんなあたしたちのやり取りをお客さんが温かい目で見守ってくれていることに気づいたのは、他のスタッフに指摘された後のことでしたとさ。



「みんな爆発してしまえー!」

「おま、叫ぶなバカ聞こえるだろ。」


もう手遅れです。


「ほらこれ、4番」

「おいしそうなケーキだなおい!」

「あたりめーだろ。俺が考えたんだぞ」

「ナルシスト店長!」

「いつも以上にテンションウザいなお前。なんでもいいから早くおいて来い」

「はーい」


あんまりふざけてると店長怒っちゃうからね。

ただでさえ忙しくてイライラしてるからな。


さっさとこのおいしそうなケーキをあの仲良しかっぽーに届けてあげよう。

ちょっと恨み籠るかもしれないけど、許してくれるよね!