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「おはようございます店長」
「おー本当に悪かったな、折角のパーリナイだったのに…目赤くね?」
「泣いてないですよ?」
店の裏口から入った途端店長に出くわしたのですが、まんまとばれたぜ。
泣かないつもりだったんだ。
だって、好きって言ってもらえてうれしかったんだし、振られたんじゃなくて振ったんだから、泣く理由もないでしょ?
なのに、なんでか知らないけど涙が出てきて途方に暮れた。
「誰も泣いた?なんて聞いてねーけど」
墓穴!!
「やっぱ泣いたのか」
「…泣いてないです」
「振られた?」
「…振りました」
「そーか。そんなときは泣く暇もないくらい忙しく働いて忘れろ」
「泣いてないのに」
「よし、さっさとホールはいれ、客が多くて回らん」
「頑張ります」
「あたりまえだ」
こんな時だって店長は店長だ。
最近は優しかったんだけど、やっぱ鬼畜なことには変わりないんだなぁ。

