「シフト入れって?」


「あ、うん…ヘルプ入ってほしいって」


「じゃあ、そっち行けよ。こっちは別に気にしなくていいから」


「でも、せっかく誘ってくれたのに…」


「大丈夫だよ。お前が暇そうだから誘っただけだし、それにお前、それ渡さなきゃだろ?」


それと言われて視界に入るのは先程買った紺色の袋。

中にあるのは店長へのプレゼントだ。



「おーい?なんか反応くれないと困るんだけどー」


電話の向こうで間延びした店長の声がして、はっと電話に口を近づける。



「あ、あの!あたし、行きます!ヘルプ行きますから!」


「は?おまえパーリナイはどうすんだよ」


「こっちは、謝って許してもらうんで、大丈夫です。店にいきます」


「…本当に大丈夫なのか?」


「大丈夫ですって!何時からですか?」


「18時からでいいけど…」


「わかりました!では、また後ほど!」



それだけ言って、何か言いたそうにしていた店長は放置して強制的に通話を終了した。



「…何時って?」


「18時。だからそれまでは一緒いる」


「そっか…じゃ、のんびりお茶しますか」



ニカッて笑ってくれた目の前のこいつにつられて、あたしも自然と笑顔になってしまう。


さっき振られたはずなんだけどな。

なんでこいつの傍はこんなにも居心地がいいんだろう。