「あたし、は、お前のこと、ずっと好きだったよ。」
友達になって、一緒にいる時間が長くなって、気付いたら好きだったんだ。
あたしにはそれが、友達の好きだったとは思えない。
「だけど、正直、…近づいてみたらその…距離感がなんかわかんないけど難しくて、空気がむずがゆくて、でもやっぱり一緒にいるのは楽しくて、好きで、あたしも…どうしたらいいかわかんない。」
女の子扱いされて、なんかもどかしくて、もっといつも通りでいいのにとか思っちゃったあたしはきっと、こいつが求めているモノとは違うんだろうな。
「あんたがあたしから離れたいって思ってるなら、あたしも近づかない努力はする…けどやっぱり、できれば、せめてこのままずっと、友達ではいたいな…。完全に、あたしの我がままだけど」
この先の大学生活、社会人になってからも、このイケメンがあたしの周りからいなくなるなんて、想像できないんだよ。
なんだかんだバカやって、一緒に騒いで、楽しくて、それがあたしたちだったから。
それがあたしの好きな距離だった。
「今のままじゃ、ダメ?」
「オレは、それでもいいよ。お前と今まで通りの関係で。オレはもともとそのつもりだったから。お前と友達やめるとか、考えらんねーし。」
「…うん。あたしも、同じ」
同じように思っていてくれたことがうれしい。
「…好きって言ってくれて嬉しかった。ありがと」
「こちらこそ。好きでいてくれてありがとう。」
ちょっと鼻声になってしまったのは許してほしい。
だって、あたしの長い長い片想いが、やっと成就して、散ってしまったんだから。

