「…どういうこと?」
「オレがお前の言うことを信じて付き合うとするだろ?そうするときっとお前はオレに合わせて頑張ろうとすんだよ。だけど、それはお前が望んでる関係とは違う。」
「そんなの付き合ってみないと分かんないじゃん…」
「わかるよ。だって、オレはお前に触りたいと思うだろうし、もっとべったべたに甘やかしたくなる。手をつなぐだけで満足するような、小学生みたいな恋愛はオレにはできねーよ」
「……でも、好きなんだよ」
「…お前のそれは、友達の好きと恋愛の好きをごちゃ混ぜにしちゃってるんだよきっと。」
「…本当は友達の好きってこと?でも…」
「お願いだからさ、大人しく、オレのこと振ってくれない?もちろん、好きって気持ちは嬉しいし、期待もしちゃうし、もしかしてって思うんだけどさ、今日一日一緒にいてわかったんだ。やっぱ、付き合うのは無理なんかなって」
そう言ってうつむいていた顔を上げたあいつは、すごくつらそうな目をしていて、なんだかあたしのほうが泣きたくなってしまった。
「…わかっちゃうんだよなー。お前が自然と警戒して、体強張らせてることとか、今の空気は嫌なんだなとか。そんなんされたら、オレ、どうしていいかわかんねーんだよ」
なんでそんな泣きそうな目をするんだ。
さっきまでプレゼント交換して、楽しい雰囲気だったのに。
「だからさ、オレのこと、振って」
そんなお願いされるなんて、夢にも思ってなかったよ。

