「それ、なんでもう一個袋あんの?自分用?」
ふとイケメンくんの目があたしの横の荷物に向かう。
そこには先程の雑貨屋の袋が一つ。
これは自分用でもなんでもなく、まぎれもなく店長用である。
「店長にお似合いのものを見つけてしまいまして、思わず買ったよね。」
この袋の中身は、店長に似合うであろうピアスが一対。
1000円以内というルールを律儀に守った、全くもって安物であるが、店長がつけてたらかっけーんだろうなと思って買ってしまった。
「…また、店長さんか…」
「ん?なんか言った?」
小さな声で呟いたイケメンくんの声を拾うことができず、その目が暗くなった理由が分からない。
さっきの笑顔はどこにいったのよ。
「オレさ、お前に一個聞きたいことあんだけど。」
「…なにさ?」
急にそんな真剣な顔をされるとすごく不安になるんですが。
どうしたって言うんだ。
「お前さ、……店長さんのこと、好きだろ?」

