それからクリスマスまで、これと言って特筆するようなこともなく、退屈でそれなりにユーモアがある毎日を過ごした。
だんだんクリスマスに向けて色づいてくる街中にも、もう冷たい目は向けないで、「あら綺麗ねぇ」と余裕な発言もできる。
だって今年はみんなでパーリナイだもんね!
「イルミネーションとか、完全に電気代の無駄だよな」
バイトに向かう道のり、隣を歩くイケメンくんがそんなことを呟きました。
いやだねぇ現実ばっかり見て。
「綺麗でいいじゃないですかお兄はん」
「誰がお兄はんじゃアホ。お前も前は言ってたじゃんかよ」
「もう心入れ替えたからな。綺麗なものを綺麗と言うよあたしは」
「それはまぁよい心がけですね。じゃあどっか有名なイルミネーションでも見に行くか?」
「それはいいや。わざわざお金かけて見に行くほど物もでもないでしょうに」
「お前、たまにサラッとひどいこと言うよな。そのイルミネーションを作った人の気持ちも考えてやれ」
「その台詞さっきの君にまんま返してあげよう」
電気代の無駄とか言ってたのはどこのどなたですかいな。
「うっせーよ」

