「…ふーん、デートか。よかったじゃねぇか。」
ことのあらすじを店長に話すと、何とも軽い一言。
「でで、デートなわけないじゃないですか!なんであたしとあいつでデートしなきゃなんないんですか!店長バカですか!バカ!」
「……何をそんなに慌ててんのか知らねえけどな、お前俺にそんな態度とっていいとでも思ってんのか?来週の土曜にシフト入れてやってもいいんだぞ?」
「申し訳ありませんでした。」
「ふんっ バカはどっちだバカが。」
なんとも冷たい一言をくらい、心に傷を負ったあたしですが、今はそんなことにかまっている暇はないのです。
「店長!」
「んだようるせぇな。」
「あたしゃどうしたらいいでしょうかね?」
「は?なにがだよ?折角誘われてんだから行けばいいだろ?」
「だ、だって、あたしあいつと二人でお出かけとかしたことないんですよ?!遊ぶにしてもご飯にしても飲みにしても、いっつも誰かしら他にいたから二人だなんて初めての挑戦でおなか痛くなりそう!」
「……お前、意外とそーゆうとこ繊細なんだな。」
「意外とってなんですか。あたしだってそりゃあ慎重にもなりますよ。」