あの人の笑顔を忘れられないまま一週間がたった。
今日は、隣町でなかなかおっきいお祭りがある。
朱里に誘われ、初めて隣町のお祭りに参加した。
今思えば、あそこでやめておくべきだったのかもしれない。



PM:7時。
『わぁ~!いっぱい出店出てるねぇ!!』
地元の祭りとはくらべものにならないほど
出店が所せましとでていた。
「なにする~?」
朱里が黒い髪をいじりながら聞く。
『とりあえず、なんか食べる?』
「あっ!あたし焼きそば食べたい!」
『いきなりいくね(笑)』
二人で笑いながら焼きそばを買った。


PM:8時。
出店をほとんどまわり
歩き疲れたあたし達は神社の階段に座ってた。
『あ、あたしさこれからちょっと予定入ったんだ・・・
行ってもいいかな?』
朱里はきょとんとしたがすぐに許可をくれた。
朱里に謝りあたしは神社をあとにした。



実は、朱里と出かける約束をする前に
パソコンでもできるサイトに
「会える人募集!」
そうゆう書き込みをしたら、一人の男の人が
「家、近いから行けるよ」
そこで、あたしはその人と会う約束をした。
顔も知らない相手に。


PM:8時30分
待ち合わせの場所に急ぎ足で向かう。
待ち合わせ場所にいたのは、あたしの丁度お父さんぐらいの
おじさんだった。
勇気を出して、話かけてみる。
『あ・・・あの・・・』
あたしのか細い声に気が付くと
大きい目をこちらに向けた。
「君が・・・美奈ちゃん??」
その大きな目であたしの体を舐めまわすように見る。
『は、はい』
「じゃあ、出店見る?」
隣町のお祭りとはいえど、地元の同級生、先輩、後輩が
たくさんきていた。
みんなに見られるのはさすがにやばいと思ったあたしは
『出店行くのやめましょう?また後日で・・・』
あたしがうつむきながら話すと
「わかった・・・。じゃあ、また後日」
そう言うと、あたしに背中を向けて帰って行った。
そのときあたしの顔色は最悪だったと思う。


家に帰ってパソコンをつけてサイトにアクセスすると
そのひとからメッセージが届いていた。
その日はメッセージを返さず
死んだように眠ってしまった。