そして、困ったように笑う。



「絽美を……ちょうだい?」



それはつまり……

血をちょうだい、ということだった。



絽美はまた、涙をこぼした。


そして、震えた声を絞り出す。



「うん…いいよ。絶対に、帰ってきてね…?」


絽美が笑うと、ユウトも悲し気に笑った。


「…うん。痛いけど、大丈夫?」


「ユウトがいないことと比べれば、全然…─」