「別に何回も聞かなくってもいいじゃん。」


絽美は後ろを振り返ろうともせず、スタスタと歩き続ける。


「そんなに言ってる?てか、どこ行くの?」


「…ばあさんのとこ。」


「絽美が言うと、ちょっと悪く聞こえるよね。」


「…うち、夢使いだからね。」


「すみませんでした。」



ばあさんというのは、町の中心部辺りに住んでいる、老魔女のことである。


別館の地下の仕事部屋にある暖炉に使っている薪は、全てそこから買っているのだ。