「ほう?」


絽美の口元が微かに歪む。

「わたしには彼氏がいて…彼がいろいろ手を打ってはくれるのですが、聞かなくって…」


ユノはグッと歯を食い縛った。


「なんとかならないかな…と思って、ここに来たんです。」


目を上げたユノは、ひどく困っているようだった。


「…例のモノは?」


絽美は静かに呟いた。


「あ、あります…!」


ユノはカバンの中をガサゴソと漁ると、白い封筒を取り出した。