ヴァンパイアとの響存【完】

─絽美が丘の中腹に行くと、すでにユウトが待っていた。


しかも、近くにあった岩に腰かけているし、

約束のネックウォーマーを下ろし、ぼけーっと空を見ている。


「…ユウト~」


絽美は声をかけた。


するとユウトはゆっくりと絽美を確認してから、にっこりと微笑んだ。


「絽美。」


ユウトは平然と、一言のみを発した。

しかも、微笑みながら。