ヴァンパイアとの響存【完】

そして、またそれに触れる。


─変装するから!─


本当に顔と性格が合わないやつだと絽美は思った。

やはり男女の1年の差はこのくらいか、と。


「どーゆーの?」


─ネックウォーマーを口まで上げます。─


「迎え行くから、丘の中腹辺りに来て。」


─おーありがとー─


(これは便利だけど…なんかなあ…)


絽美は盛大にため息をついた。

その時には、黒い生き物はいなかった。