ヴァンパイアとの響存【完】

絽美が手を伸ばすと、それは手の甲に着地した。


絽美は手を下ろし、それにそっと触れた。


─俺も町に行きたい─


流れてきたのは、その一言だった。

絽美はため息をつくと、辺りを見回し、路地裏に入った。


そして、それに向かってしゃべりかける。

「ユウト目立つからやだ。」