ヴァンパイアとの響存【完】

(本当に…)


絽美は手を振り返しながら思った。


(本当に、ここの人たちは優しいなあ…)


ずっと1人で生きてきて、ユウトと出会ってやっと1年経った絽美にとっては、

とても嬉しいことだった。


その時、黒いコウモリのような小さい生き物が、絽美に向かって滑降してきた。

(あ…ユウトだ…)


それはユウトが放つ、伝言用の分身だった。