「あのね、こわい夢、みなくなったの!絽美ちゃんのおかげだよ!」


女の子は無邪気に笑った。

そう、この前、この子の母親からの依頼で、悪夢を取り除いてあげたのだ。


「そっか…よかったね。」


絽美は小さく微笑んだ。

笑うのは苦手だったが。


「うん!だからね…はい、お礼だよ!」


女の子がポケットから取り出したのは、棒つきのアメだった。


「ありがとう。」


絽美はそれを受け取った。