絽美の住む家は、町を一望できるくらいの丘の上に建っていた。


だから、毎日のようにそこを登り降りしなくてはならないのだ。


タイヤのついた画期的な乗り物はあるにはあるのだが、

やはり舗装されていない道なら困難だろう。


だから絽美はしょうがなく、徒歩で町に向かうのだった。


まあ、行く途中でいろいろと見つけたり

空をながめたりするのは貴重な時間だと絽美は思っていた。