「あの…それはつまり…」


絽美が困惑しながら呟くと、少年が絽美の耳に口を寄せて囁いた。


「うん、君が俺の運命の相手。」


絽美はその甘美たる声に身を震わせながら、少年の背中におずおずと手を回した。


「ありがとう…」


そして、そっと体を離す。


温もりがまだ残っていた。


「あのさ…今さらだけど…名前って?」


「ああ、そっか。」


少年は当たり前か、と言って笑うと、優しい笑みを向けた。