その少年の名は、ユウト・スランだった。


絽美は表情を変えず、呟いた。


「おはようユウト。今日はロールキャベツです。」


「うおっ。マジか!!」


ユウトは弾かれたように走ってくると、タッパーの中を確認した。


「うっまそ~」


満面の笑みになると幼さが見え隠れする。


「今日実施して、ストーカーが消えたらお礼に来るって。」


絽美はコーヒーを作り始める。


「へえ。」


ユウトはそんなことはどうでも良さそうだった。