ヴァンパイアとの響存【完】

ユウトはつらそうに、一言だけ、呟いた。




「…絽美が欲しい……」




絽美は前もこんなことがあった気がしたが、快く受け取った。


「いいよ。」



ユウトがパッと顔を上げる。


自分で言ったくせに、すごく心配そうな顔をしている。



「いいから。今は緊急事態だから。」



絽美が優しく微笑みながら、

寝巻きの襟元を引っ張り、

綺麗な首筋を見せると、ユウトは喉を鳴らした。





ガブッ───


「あっ………」



何の前触れもなしに、絽美の首筋に、ユウトの歯がたてられた。