ヴァンパイアとの響存【完】

そこには、月に照らされた、懐かしい姿が立っていた。



黒髪は、闇に溶け込むかのように。


落ち着いた雰囲気は、月に同調するかのように……





絽美は、力の限り、床を蹴った。



窓枠に足をかけ、力一杯、そこを踏む。





ちょうど、その人が…顔を上げていた。





「絽美……!?」




そう──その声が、聴きたかったの───