ヴァンパイアとの響存【完】

窓を開けると、秋らしい、涼しい風が入ってきた。


空には月が煌々と光っている。



絽美は不意に、月がぼやけたのを感じた。


それが何なのかを悟る前に、涙が頬を伝っていた。



「ユウト……」



絽美は苦しくなって、顔を歪めた。



(なんでこんなときに…思い出しちゃうんだろう……)



床にしゃがみこみ、顔をおおった。