「…冗談だと思ってる?」
「え?」
呟いた絢子の言葉の意味が分からず聞き返すと、周りの空気がまた変わったようだ。
「行くぞー!10!」
カウントダウンが始まり、その瞬間に絢子の手が篤希を捕らえた。
その場にいた全員が声を合わせてカウントダウンを始める中、篤希の時間だけが止まる。
右手に感じた彼女の手のぬくもりに心を奪われたからだ。
前で雅之と裕二、仁美が笑顔でこちらを確認する。
顔を見て2人が傍にいると分かるとまた3人は前を向いてしまった。
誰も2人の手が繋がっていることに気付かない。
「一緒にいれて良かった。来年も…。」
「0!ハッピーニューイヤー!」
寒空の下、全てを忘れて人々はこの瞬間に興奮し喜びを分かち合う。
肩を組んで抱き合って、キスをして。
様々な形で1年の終わりと幕開けの喜びを爆発させた。
その場から置き去りにされた篤希の目には遠慮がちに見上げる絢子しか映っていない。
心も彼女に支配されていた。
「…今年も宜しくね。」
そうやって恥ずかしそうに微笑む絢子。
「…うん。今年も宜しく。」
僅かに握り返した手、すぐに離れてしまう手だったが、その時は確かに永遠のように長く感じていた。
「え?」
呟いた絢子の言葉の意味が分からず聞き返すと、周りの空気がまた変わったようだ。
「行くぞー!10!」
カウントダウンが始まり、その瞬間に絢子の手が篤希を捕らえた。
その場にいた全員が声を合わせてカウントダウンを始める中、篤希の時間だけが止まる。
右手に感じた彼女の手のぬくもりに心を奪われたからだ。
前で雅之と裕二、仁美が笑顔でこちらを確認する。
顔を見て2人が傍にいると分かるとまた3人は前を向いてしまった。
誰も2人の手が繋がっていることに気付かない。
「一緒にいれて良かった。来年も…。」
「0!ハッピーニューイヤー!」
寒空の下、全てを忘れて人々はこの瞬間に興奮し喜びを分かち合う。
肩を組んで抱き合って、キスをして。
様々な形で1年の終わりと幕開けの喜びを爆発させた。
その場から置き去りにされた篤希の目には遠慮がちに見上げる絢子しか映っていない。
心も彼女に支配されていた。
「…今年も宜しくね。」
そうやって恥ずかしそうに微笑む絢子。
「…うん。今年も宜しく。」
僅かに握り返した手、すぐに離れてしまう手だったが、その時は確かに永遠のように長く感じていた。