加奈が右手に持っているマグカップが篤希の目に入る。
今まですれ違った人たちと同じ、このイベントのロゴが入った冬を意識した白のマグカップ。
なんだか加奈らしい言葉に篤希は笑ってしまった。
「…足下に置けばいいんじゃない?」
差し出していた手は力が抜けて重力に従ってしまう。
「そっか。…そうだね。」
篤希に言われたように加奈は屈んで足元にカップを置いた。
そのまま起き上がることなく小さくうずくまる。
「私…で、いいのかな?」
震えた彼女の声を篤希は聞き逃さなかった。
「もちろん。」
あえて強く、でも優しい声で答える。
篤希は加奈を諦めるつもりはないのだ。
「ごめ…。」
篤希の言葉に涙をこぼした加奈は手で口元を押さえて立てなくなってしまった。
そんな加奈に寄り添うように篤希も屈んでそっと彼女を抱きしめる。
「長い間、待たせてごめん。」
長い間送ってくれていたシグナルに気付けなくてごめん。
今まですれ違った人たちと同じ、このイベントのロゴが入った冬を意識した白のマグカップ。
なんだか加奈らしい言葉に篤希は笑ってしまった。
「…足下に置けばいいんじゃない?」
差し出していた手は力が抜けて重力に従ってしまう。
「そっか。…そうだね。」
篤希に言われたように加奈は屈んで足元にカップを置いた。
そのまま起き上がることなく小さくうずくまる。
「私…で、いいのかな?」
震えた彼女の声を篤希は聞き逃さなかった。
「もちろん。」
あえて強く、でも優しい声で答える。
篤希は加奈を諦めるつもりはないのだ。
「ごめ…。」
篤希の言葉に涙をこぼした加奈は手で口元を押さえて立てなくなってしまった。
そんな加奈に寄り添うように篤希も屈んでそっと彼女を抱きしめる。
「長い間、待たせてごめん。」
長い間送ってくれていたシグナルに気付けなくてごめん。



