オートフォーカス

そう考えると気付けなかった予想の方が強くて苦笑いをするしかなかった。

でも、見つけることが出来たのだ。

「手紙の裏、やっと気付いたよ。…加奈の気持ちも、やっと気付いた。」

篤希の手の中の手紙を見て加奈の口が何か言いたげに開く。

そして彼女の瞳が揺らいだのを篤希は見逃さなかった。

「僕は鈍いし、度胸がないから遅くなったけど…でもまだ間に合うならってここに来た。」

篤希は一呼吸おく、そしてまた口を開いた。

「僕たちはお互いに忙しいし、すれ違うだけかもしれない。それでも僕は加奈といたいと思った。」

加奈は篤希の手元にあった視線を彼の目へと移した。

篤希は痛いくらいの強い眼差しで加奈を見つめている。

その目を見るだけで、もう泣きたい気持ちになってしまった。

「僕はあと2年、学生のままだ。社会人になる加奈とは価値観や考え方が合わなくなると思う。物理的な距離も今のままだし、加奈が辛い時は傍で支えてあげられないかもしれない。でもそんなことで諦めたくないんだ。」

会えない寂しさはこの2年十分に味わってきた。

でもきっとこれからの2年はまた違う気持ちになるだろう。